①必読!「フィナーレ」ラテン語パートの意味

 
こんにちは!

ミュージカル考察ブロガー、あきかん@performingart2)です。

劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』より「フィナーレ(Finale)」の英語歌詞を見てみると、ところどころがラテン語歌詞で歌われており意味を理解することができません…

そこでラテン語パートの意味を調べてみました!今回は冒頭部分のラテン語を解説します。

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歌詞のおさらい

 

まずは「フィナーレ(Finale)」の冒頭部分の歌詞を見てみましょう。

 

Judex crederis
Esse venturus
In te domine
Speravi
Non confundar in
Aeternum
Salvum
Fac populum
Tuum
Judex crederis

―ミュージカル “The Hunchback of Notre Dame” より “Finale” (作詞:Stephen Schwartz)

 

今まで色々なラテン語を調べてきましたが、同じようなものを見たことがありませんね…

1つ1つ単語を調べるのは難しいので、今回も同様、冒頭の2行 “Judex crederis Esse venturus” で検索をかけてみました。すると、いつもの通りwikipediaに説明がありましたよ。

 

ラテン語歌詞を理解する

聖歌『テ・デウム』が使われている!

 

wikipediaの解説を読んでみると、どうやらこれは実在する「テ・デウム(Te Deum)」という聖歌らしいということが分かりました。wikipediaの説明はこうです。

 

テ・デウム(Te Deum)は、キリスト教のカトリック教会・ルーテル教会・正教会の聖歌の1つ。テクストの冒頭の一文 “Te deum laudamus” (われら神であるあなたを讃えん)からこの名称で呼ばれる。

Te Deum(wikipedia)

 

なるほど、「神をたたえる聖歌」だということが何となく分かりましたね。

 

聖歌『テ・デウム』の歌詞

 

では具体的にどういう内容の歌なのでしょうか?

wikipediaを読み進めると…うっ…長いっ!1ブロックが約10行前後で構成されている歌詞でした…。ということで、ここでは音楽のみ紹介させて頂きますね。

 

歌詞をご覧になりたい方は次のリンクからどうぞ。

 

 

聖歌『テ・デウム』の意味

 

そこで、「テ・デウム」日本語訳がないかどうか調べてみたところ…ありました!次の記事の3曲目に対訳の記載がありますので、まずどういう曲なのか全体的に日本語で知りたいという方は、こちらのサイトよりご覧ください。

 

この長い曲を部分的に切り取ったのが「フィナーレ(Finale)」だろうと何となく想像がつきます。…ということで1つずつ読み解いていきましょう。

先程のサイトより「フィナーレ(Finale)」に該当する部分を抜き取って順番に記載していきますね。赤字の部分が、完全に一致している歌詞です。

 

Judex crederis esse venturus
審き主として来られることを信じます。

テ・デウム/御身天主を(聖歌・歌詞・宗教詩対訳集)

 

In Te, Domine, speravi:
non confundar in aeternum.
主よ、あなたに依り頼みます。
揺るぎなく、とこしえに至るまで。

テ・デウム/御身天主を(聖歌・歌詞・宗教詩対訳集)

 

Salvum fac populum Tuum, Domine,
主よ、あなたの民を救い、

テ・デウム/御身天主を(聖歌・歌詞・宗教詩対訳集)

 

Judex crederis esse venturus
審き主として来られることを信じます。

テ・デウム/御身天主を(聖歌・歌詞・宗教詩対訳集)

 

フィナーレ(Finale)」と『テ・デウム』の歌詞を照らし合わせてみると分かるのですが、一部をごっそり抜き取っているというわけではなく、部分的に1行ずつ抜き取って組み合わせており、順番も元の聖歌に則っているわけではありませんでした。

フィナーレ(Finale)」のシーンに合うように順番が構成されたのだろうと想像がつきますね。

3つ目の歌詞で使われていない “Domine” ですが、調べてみたところ主を呼び掛ける時に使う「主よ」という呼格だということが分かりました。また、 “Judex” は「裁判官」、 “crederis” は「信じる」という意味があるようです。

 

「フィナーレ」冒頭の歌詞の意味は?

 

従って「フィナーレ(Finale)」は次の様な歌詞になると言えそうです。

 

  • Judex crederis
    Esse venturus
    審き主として来られることを信じます。
  • In te domine
    Speravi
    Non confundar in
    Aeternum
    主よ、あなたに依り頼みます。
    揺るぎなく、とこしえに至るまで。
  • Salvum
    Fac populum
    Tuum
    あなたの民を救い、
  • Judex crederis
    審き主を信じます。

 

最後の2つの歌詞のつながりが少し悪いですが、恐らく「民を救う審き主を信じます」というようなことを歌っているのでしょう。

いかがでしたか?エスメラルダの処刑を前に、最後の訴えを神にしているような内容と受け取られる気がしませんか?

1つ1つ読み解くことで、より状況を深く理解することが出来ますね。観劇する際には是非この歌詞の意味を知って、このシーンを迎えて下さいね。

さて、この歌詞内でラテン語で歌われているのは冒頭だけではありません。曲中で歌われているラテン語も1つ1つ調べましたので、是非続きも記事も併せてご覧ください。

 

フィナーレ(Finale)」の、他の記事はこちらから。

もっと考察を読みたい方は、曲一覧から!


それでは皆さん、良い観劇ライフを…

以上、あきかん@performingart2 ←twitter)でした。

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