劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』より「息抜き(Rest and Recreation)」の英語歌詞を見てみると、どうしてフィーバスが戦場の最前線からパリに戻ってきたのかが分かります。
パリに戻った理由、そしてフィーバスの気持ちを見ていきましょう。
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歌詞のおさらい
4年間も戦場にいて、辛い思いをして、女性にも触れられなくて…そんな彼は今、戦争から離れてパリにいます。
娼婦たちに語りかけるように歌うこの部分に、情報はびっしり詰まっていますよ!
Darling, to be blunt
You are with the best
That’s why I’ve been blessed
With this promotion
I’ve been working hard
Now I’m gonna be
Captain of the Guard
Ain’t that a notion?Like other true knights
I’ve got ambition
But for a few nights
Fun is my mission
So what do you say?
Care to share a day
Of rest and recreation!―ミュージカル “The Hunchback of Notre Dame” より “Rest and Recreation” (作詞:Stephen Schwartz)
昇格したフィーバス
“to be blunt” というのは「正直に言うと」です。
“Daring” は愛する相手に使う呼び方ですから、ここでは「可愛い子ちゃん、正直に言うとね」といった感じで始まっています。
“promotion” は、日本語でもそのまま「プロモーション」と使うこともありますが「昇格」のことです。
フィーバスはこの昇格はとてもありがたいと思っている…と言っているんですね。
そして一生懸命働いてきた結果、彼は何になるか…そう “Captain of the Guard” 、つまり「護衛のキャプテン(隊長)」です。
そりゃぁ、生死を分ける戦争の最前線にいるよりも、パリ市内で護衛が出来た方がずっと良いに決まっています。
戦争に比べれば死ぬ確率はかなり低いですし、お酒が飲める店があれば、もちろん女性だっています!
フィーバスは、恐らくこのポジションをずっと狙っていて、それで努力してやっと夢を掴んだところなんでしょう。
少し前の歌詞に書かれていた “soldier’s test(軍人試験)” とは、この昇格試験のことで、フィーバスが合格してパリに行くことが決まったものだから、矢面に立った…ということだったのでしょう。
他の軍人は「ずるい!」と言いまくっていたでしょうね。
でも人の人生は他人が決められるものではありませんから。
こうやってフィーバスのように計画的に、賢く生きるのは重要なことだと思います。
野心はある、でもその前に…
フィーバスの休暇はたったの3日たったのだと、別の記事で説明しましたが、そんな休暇をフィーバスは最大限に有効に利用しようとしています。
“Like other true knights/I’ve got ambition(他の真面目な騎士達のように/野心はあるけれど)” に続くのは、 “But for a few nights/Fun is my mission(でも数日は/楽しむことが俺の任務だ)” です。
…やれやれ、フィーバスの性格が余すところなく見て取れる歌詞ですね(笑)。
そして最後に、「さぁ、どうだい?僕と息抜きとお楽しみの日を過ごすというのは!」と締めくくる訳ですから。
ここまで言われてしまうと、何だか遊ばない方がバカを見てしまうような気分ですね。
さて、そんなフィーバスも戦争の大変さを途中で吐露しています。彼が行っていた戦場とはどのようなものだったのか、知りたい方はこちらの記事をご覧くださいね。
それでは皆さん、良い観劇ライフを…
以上、あきかん(@performingart2)でした!
こんにちは!
ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。