とっても巧み!エスメラルダによるチップのもらい方とは?

劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)』より「タンバリンのリズム(Rhythm of the Tambourine)」の英語歌詞を見てみると、エスメラルダが観客に対して上手~くチップの誘導をしているシーンがあります。

どんな巧みな話術を使っているのでしょうか?

Music from the Musical

・作品名:ノートルダムの鐘(The Hunchback of Notre Dame)

・曲名:タンバリンのリズムRhythm of the Tambourine

・楽譜:Rhythm of the Tambourine

・訳詞:高橋知伽江(作詞:Stephen Schwartz)

アルバムを視聴/楽譜 ・アルバム(日本語):ノートルダムの鐘
・アルバム(英語):The Hunchback of Notre Dame
・楽譜:

 

どんなシーン?

 

さて、エスメラルダの登場シーンです!この曲が好きな方結構多いんじゃないでしょうか?

私は初めて聴いた時、とても胸が熱くなりました。エスメラルダと同じ女性なのに、恋焦がれてしまうというか…途中のフロロー、フィーバス、カジモドの3重層がより一層良さを増していますよね。

ジプシー達は生活が厳しいですから、トプシー・ターヴィーのようなお祭りでひと儲けしようとしています。スリをしたり、物を売ったり…そんな色々な方法がある中で、エスメラルダは踊りを踊ることで生活を成り立たせています。

エスメラルダ自身も呼び込みを行いながらダンスを踊っている訳ですが、この歌は、いわゆる大道芸人と一緒で「お気持ち下さい(チップを入れてね)」と締めくくっています。

しかし、その言い回しがなかなかセクシーでエスメラルダらしいんです。どのような話術で観客を誘導しているのか、早速見ていきましょう。

 

エスメラルダの誘惑

 

タンバリンのリズム(Rhythm of the Tambourine)」の最後の2ブロックを見てみましょう。

 

Come on Paris
Before we get old
Come feel the heat
Come taste the desire
―ミュージカル “The Hunchback of Notre Dame” より “Rhythm of the Tambourine” (作詞:Stephen Schwartz)

 

曲のクライマックスですね。

エスメラルダが誘惑に追い打ちをかけるように歌います。単語もあまり難しくないので、理解しやすいのではないでしょうか?

まず、” Come on Paris” は掛け声のようなものです。パリ市民全体に拍車をかけるように、掛け声で盛りたてているんですね。続く” Before we get old” のoldは「年をとる」ですから、ここは「年をとる前に」となります。

” Come feel the heat” は「熱を体感しに来て」、” Come taste the desire” は「欲望を味わいに来て」です。セクシーで挑発的ですね!私のダンスを見て燃えてよと、観客を誘っているということです。(少なくとも既に、燃えている男3人がいるということは直前の歌詞で分かりますが…笑)

そんな挑発があった後、うまーくチップの話しへと誘導します。それが最後のブロックです。

 

 

チップへの誘導

 

タンバリンのリズム(Rhythm of the Tambourine)」の最後のブロックがこれですね。

 

Feel them within you
Crimson and gold
Gold like the coins
You will toss into my tambourine
When I dance to the rhythm of the tambourine
―ミュージカル “The Hunchback of Notre Dame” より “Rhythm of the Tambourine” (作詞:Stephen Schwartz)

 

” Feel them within you” のwithin youで「あなたの中で」となりますから、ここは「それ(情熱、欲望)をあなたの中で感じて」となります。その「情熱、欲望」を色で表現したのが” Crimson and gold” の「深紅色と金色を」です。

2行目と4行目は1つの文章になり” Gold like the coins you will toss into my tambourine” となりますから、「あなたが私のタンバリンの中に投げ入れてくれる金貨のような」という意味になります。そして最後に「私がタンバリンのリズムに合わせて踊る時は」と締めくくられるのです。

色々と説明しましたが、結局エスメラルダはこういう風に話しを展開しています。

 

  1. 私のダンスで情熱を感じて(1行目)
  2. その赤とかゴールドの色をしている情熱を体の中で感じて(2行目)
  3. あなたが私のタンバリンに投げ入れてくれる金貨みたいなゴールド色をしているその情熱を感じて(3、4行目)

 

いかがですか?

私はこの最後のブロックを読んだ時、「うまいっ」とつい口にしてしまいました。誘惑に誘惑を重ねて、「情熱って深紅や金色のようなものよ」と表現し、「金色?そうね、例えばあなたが私のタンバリンに投げ入れてくれる金貨なんかがそれよ。」と言っているのです。

踊ることでしか稼げないエズメラルダの身分を、非常になめらかに美しく、理知的に描くこの曲の最後。なんて芯のある生き方なんだろうと、この部分にくる度、彼女のカッコよさに胸が熱くなります。

しかし、このエズメラルダはあくまでも仕事をしている時の顔。後に歌われる “God Help the Outcasts(神よ 弱き者を救いたまえ)” では全く違う一面を見る事ができます。このギャップが人間的で非常に美しいですよ。是非併せてご覧くださいね。

 

金貨1枚って一体いくら?

(2017.7.5追記)

 

さて、金貨を入れるよう上手く誘導するエスメラルダですが、調べてみたところ金貨1枚が日本円でいくらなのかが分かりました!

実はこれ、結構な金額なんです…是非、次の記事を併せてご覧くださいね。

 

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