『SIX』ヘンリ8世の6人の妻を紹介(2/6)アン・ブーリン

 
こんにちは!

ミュージカル考察ブロガー、あきかん@performingart2)です。
 

ミュージカル『シックス(SIX)』より “Ex-Wives” の英語歌詞に登場する6人の女性は、ヘンリ8世の6人の妻たち。

その2人目はアン・ブーリン(Anne Boleyn)という人物です。

ミュージカルにおけるイメージカラーはグリーン。彼女がどのような人物だったか、簡潔に見ていきましょう。

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“Ex-Wives” で歌われている概要

 

Ex-Wives” の後半では、6人の妻たちが、それぞれどのようにヘンリ8世との結婚生活を終えたかが、簡潔に歌われています。

アン・ブーリンは「斬首(Beheaded)」。彼女のパートではこのように歌われています。

 

I’m that Boleyn girl
And I’m up next, see
I broke England from the Church
Yeah, I’m that sexy
Why did I lose my head?
Well my sleeves may be green
But my lipstick’s red

―ブロードウェイミュージカル“SIX”より “Ex-Wives”(作詞:Toby Marlow, Lucy Moss)

 

要点をまとめると、このようなことが歌われています。

 

  • 私はあのブーリン家の娘
  • カトリック教会から破門されたけど
  • それだけ私はセクシーってことよ
  • 何で頭がなくなっちゃったのかな?
  • まぁ、袖は緑色かもしれないけれど口紅は赤色なの

 

ここを詳しく解説していきます。

 

押さえておくべき3つのこと

キャサリン・オブ・アラゴンの侍女から王妃へ

 

アンはもともと、ヘンリ8世の1人目の妻キャサリン・オブ・アラゴンの侍女でした。

キャサリンに息子の出産を望めないと感じたヘンリ8世は、次第に関心がアンに移ります

しかし、愛人で満足できなかったアンが「自分が王妃になれないのであれば、愛人としての肉体関係は拒否する」と宣言したため、ヘンリ8世はキャサリン・オブ・アラゴンとの「婚姻の無効」を取り付け、アンと正式に結婚します。

“I broke England from the Church(カトリック教会から破門されたけど)” というのは、キャサリンとの離婚からアンとの結婚の一連の流れで、ヘンリ8世がカトリック教会と対立したことを指しています。

このいざこざによって、結果的にヘンリ8世は自分の「キャサリンと離婚する」という意志を通すためにイングランド国教会を設立するに至るわけですが、アンはここで「私がこれだけセクシーだったから、こうなっちゃったのよ」と歌っている訳です。

ちなみに残念ながら、アンは絶世の美女…というわけではなかったようです。

アンの姉メアリー・ブーリンは、アンもヘンリ8世と愛人関係にありましたが、メアリーの方が容姿が良かったそうです。

こういった視点から見ても、先の “Yeah, I’m that sexy(私がそれだけセクシーだったってこと)” は、苦笑ポイントとなります。

 

 

王妃から処刑台へ

 

ヘンリ8世からの寵愛を受け、息子を期待されたアンでしたが、出産したのは娘・エリザベスでした。

ヘンリ8世は落胆しますが、エリザベスには王位継承権が与えられます。

これと同時に前妻・キャサリンとの間に生まれたメアリー(元王位継承者)は私生児扱いとされるわけですが、傲慢なアンはメアリーをキャサリンの侍女にしようとしたり、毒殺を画策したそうです。

また、アンは贅沢を好み浪費が激しかったそうです。

前妻・キャサリンとは似ても似つかないアンですが、そうこうしている間にヘンリ8世の心はアンの侍女ジェーン・シーモアへと心移りしてしまいます。

結果的に、次の理由からアンは斬首され、3年間の王妃生活は幕を閉じます。

 

  • 反逆罪(国王暗殺の容疑、不義密通)
  • 姦通(かんつう/複数の男性と肉体関係を持つこと)罪

 

“Well my sleeves may be green but my lipstick’s red” の意味

 

歌詞の中に “Well my sleeves may be green/But my lipstick’s red(まぁ、袖は緑色かもしれないけれど/口紅は赤色なの)” というフレーズがありますよね。

確かにアンブーリンは緑色のドレスを来ていましたし『シックス(SIX)』でもイメージカラーが緑です。

しかし「歌詞に入れるほどの情報か?」と思いませんか?

そこで私は「ここに入れるのであれば、絶対に何か深い意味があるはずだ」と予測を立てたのです。何故なら「色」は感情を示す場合が多いからです。

※例えば『オペラ座の怪人』の「マスカレード」も、色の要素が散りばめられています。

 

まず “Well my sleeves may be green(私の袖は緑色かもしれないけれど)” の部分です。

近しいものとして「グリーンスリーブス(green sleeves)」が存在します。

これはイングランドの民謡なのですが、歌詞の内容的にヘンリ8世からアン・ブーリンへ向けた歌だという説もあるそうです。

ヘンリ8世がアン・ブーリンに熱狂的な手紙を送り続けていたことを考えると、ありそうな話ですが、この説には確証がありません

しかし、よくよく調べてみると重要視すべき情報があります。(引用の色付きは、あきかんによる。)

 

解釈の一つとして、歌のなかのレディ・グリーン・スリーヴスは、性的に乱れた若い女性であり、場合によると娼婦であったとするものがある。当時のイングランドでは、「緑(green)」、特に、野外で性交を行うことにより女性の服につく草の汚れに関連して「緑の服(a green gown)」という言葉には性的な意味合いが含まれていた

グリーンスリーブス(wikipedia)

 

また “But my lipstick’s red(でも私の口紅は赤色なの)” ですが、これは少し悩みました。

「フレンチ・キス」や「性交」を意味するなど、いくつか候補はありましたが、 “red” には「流血」や「激しい」という意味があることから「斬首」を連想させる、もしくは「主張が過激」だったことを指しているのだと考えられます。

 

いかがでしたか?

アン・ブーリンの本心は “Don’t Lose Ur Head” で歌われていますので、そちらをご覧くださいね。

 


それでは皆さん、良い観劇ライフを…

以上、あきかん@performingart2)でした。

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