ランペルティーザの衣装に付いているネックレスは盗んだ物だった

劇団四季ミュージカル『キャッツ(CATS)』より「マンゴジェリーとランペルティーザ – 小泥棒(Mungojerrie and Rumpelteazer)」の英語歌詞を見てみると、ランペルティーザの衣装に付いているパールのネックレスは、盗んだものだと分かります。

しかし、日本語ではパールのネックレスなんて登場しませんよね?

日本語と英語の歌詞を比較ながら、どんなネックレスなのか、また何故日本語では訳されていないのかを詳しく見ていきましょう。

Music from the Musical

・作品名:キャッツ(CATS)

・曲名:マンゴジェリーとランぺルティーザ ‐ 小泥棒Mungojerrie And Rumpelteazer

・楽譜:Mungojerrie and Rumpelteazer

・訳詞:浅利慶太(作詞:Trevor Nunn & Richard Stilgoe)

アルバムを視聴/楽譜 ・アルバム(日本語):キャッツ
・アルバム(英語):CATS
・楽譜:

 

 

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歌詞の比較

日本語

 

劇団四季の歌詞ではこのように歌われています。

 

引き出しが開けられて
シャツが一枚消えたら

またガラス細工の
指輪 無くしたならば

―劇団四季ミュージカル 『キャッツ』 より 「マンゴジェリーとランペルティーザ – 小泥棒」(訳詞:浅利慶太)

 

英語

 

一方の英語歌詞はこのようになっていますね。

 

If the drawers are pulled out from the bedroom chest
And you can’t find one of your winter vests
If after supper one of the girls
Suddenly misses her Woolworth pearls

―ブロードウェイミュージカル “Cats” より “Mungojerrie and Rumpelteazer” (作詞:T.S. Eliot)

 

日本語では「ガラス細工の指輪」英語では “Woolworth pearls” が盗まれたことになっています。

“Woolworth pearls” とは何なのでしょうか?

 

盗まれたものは、パールのネックレス?

 

「ガラス細工の指輪無くしたならば」に対する英語歌詞は、直訳すると次のような内容になっています。

 

・after supper one of the girls suddenly misses her Woolworth pearls…夕飯後1人の女の子が突然ウールワースの真珠をなくしたならば

 

真珠と言われるとピンと来ませんが、複数形になっている点から考えると「真珠で出来たネックレス」のことを意味していると考えられます。

ランペルティーザの衣装を見ても、それらしきネックレスを身にまとっていますもんね。

では、ウールワースとは何なのでしょうか?

 

アメリカのバラエティー・ストア・チェーン。創立者の F.W.ウールワースが 1879年にニューヨーク州ユティカに「5セント・ストア」を開いたのが始り。その後「5セント=10セント・ストア」を開設し,1911年現社設立。

実用品がそろっていて経済的な店というのがバラエティー・ストア (日用雑貨店) としてのウールワースの特色で,全米各州のほかプエルトリコ,カナダ,ドイツ,メキシコ,スペインに進出した。歴史的にはバラエティー・ストアという新しい小売販売形態を創造したが,第2次世界大戦後の革新に立ち遅れ,業績が停滞した。

ウールワース(コトバンク)

 

ウールワースとは手ごろな価格で買い物ができる雑貨屋さんだったんですね。

…ということは、これは本物ではありません。しかも、女の子が身につけていたのですから、おもちゃの真珠のネックレスでしょう。

女の子には気の毒ですが、2匹は盗むものを間違えたかもしれませんね(笑)。

 

では、何故日本語でネックレスが盗まれたと訳さないのか。

それは「真珠を盗んだ」としてしまうと、高価なものを盗んだ印象になり、ここのフレーズの面白さが表現しきれないからだと思います。

「ガラス細工の指輪」とすることで「高価そうに見えるけど、本物ではない」というニュアンスを残したんですね。

 

いかがでしたか?

こうやって見ると、忠実に訳すだけが翻訳ではないことが分かりますね。また、衣装にもあることで、観客としてもとっても嬉しい発見ですね!

 

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