こんなに違う!「猫の名」の英語歌詞と日本語歌詞に登場する猫の名前

あきかん

こんにちは!

ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。

劇団四季ミュージカル『キャッツ(CATS)』より「ネーミング オブ キャッツ – 猫の名(Naming of Cats)」の英語歌詞を見てみると、日本語歌詞に登場する猫の名前と、英語歌詞に登場する猫の名前が随分異なります。

猫の名前はどう異なり何故異なるのかを考えていきましょう。

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猫には4つの名前がある

次の記事で説明している通り、この歌では「猫には4つ名前があること」がミステリアスに歌われています。

しかし、歌詞の中で例に挙げている猫の名前が、日本語と英語ではかなり異なっていたのです。

4つ目は猫しか知らない名前ですから、それ以外の3つの名前について、それぞれどのような名前が例に挙げられていて何故そうなったのかを1つずつ考えていきましょう。

「普通に使われる名前」の比較

1つ目の「普通に使われる名前」の日本語歌詞です。

ベティ メリー フランク トム
平凡すぎてつまりません

―劇団四季ミュージカル 『キャッツ』 より 「ネーミング オブ キャッツ – 猫の名」(訳詞:浅利慶太)

一方の英語歌詞はどうでしょうか?

First of all, there’s the name that the family use daily
Such as Peter, Augustus, Alonzo or James
Such as Victor or Jonathan, George or Bill Bailey
All of them sensible, everyday names

―ブロードウェイミュージカル “Cats” より “Naming of Cats” (作詞:T.S. Eliot)

どの部分が名前か分かりましたか?比較してみると、こうなっていますね。

日本語:

  1. ベティ
  2. メリー
  3. フランク
  4. トム

英語:

  1. Peter(ピーター)
  2. Augustus(オゥグスタス)
  3. Alonzo(アロンゾ)
  4. James(ジェイムズ)
  5. Victor(ヴィクター)
  6. Jonathan(ジョナサン)
  7. George(ジョージ)
  8. Bill Bailey(ビルベイリー)

ご覧のとおり、日本語で歌われているベティ、メリー、フランク、トムのいずれも英語歌詞には入っていませんよね。

何故このようになったのか…。

それは恐らく日本人にとって耳慣れている名前が英語歌詞内にはなかったからだと思います。

それで、日本人が「普通に使われる名前」として認識しやすいように名前自体を変えてしまったんですね。

「貴族的にこった名前」の比較

2つ目の「貴族的にこった名前」の日本語歌詞です。

クレオパトラ メディア
エリザベス シーザー
これもやっぱり平凡です

―劇団四季ミュージカル 『キャッツ』 より 「ネーミング オブ キャッツ – 猫の名」(訳詞:浅利慶太)

では、英語歌詞はどうでしょうか?

There are fancier names if you think they sound sweeter
Some for the gentlemen, some for the dames
Such as Plato, Admetas, Electra, Demeter
But all of them sensible everyday names

―ブロードウェイミュージカル “Cats” より “Naming of Cats” (作詞:T.S. Eliot)

どの部分が名前か分かりましたか?それでは比較してみましょう。

日本語:

  1. クレオパトラ
  2. メディア
  3. エリザベス
  4. シーザー

英語:

  1. Plato(プラトー)
  2. Admetas(アドメタス)
  3. Electra(エレクトラ)
  4. Demeter(ディミーター)

こちらもやはり、同じ名前は1つとしてないですよね。

これも、恐らく理由は同じでしょう。英語歌詞に登場する「貴族的な名前」は、どういう理由で貴族的なのかが、日本人にはピンときませんよね。

一方、日本語歌詞に登場する名前は、名前を聞いた時に次の人物が想像できます。

  1. クレオパトラ…クレオパトラ7世(絶世の美女)
  2. メディア…王女メディア(エウリピデス作のギリシャ悲劇の登場人物)
  3. エリザベス…エリザベス女王
  4. シーザー…ジュリアス・シーザー

いずれも歴史的に有名な人物たちですから、「貴族的な名前」にピッタリです。

英語歌詞はこうなっています。

  1. Plato…プラトン(古代ギリシアの哲学者)
  2. Admetas…アドメートス(ギリシャ神話に登場する王の名前。「征服されない男」の意味)
  3. Electra…エーレクトラー(ギリシャ神話に登場する女性の名前)
  4. Demeter…デメートル(ギリシャ神話に登場する、農業の女神)

こちらは古代の人間だったり神話の神だったりするので、「貴族的」というよりはもはや「神聖」な感じもしますが、いずれにしても高貴な名前であることには間違いないですね。

「威厳のある名前」の比較

3つ目の「威厳のある名前」はどうでしょうか?

マンカストラップ コリコパット
ボンバルリーナ ジェリーロラム

―劇団四季ミュージカル 『キャッツ』 より 「ネーミング オブ キャッツ – 猫の名」(訳詞:浅利慶太)

英語歌詞はこうなっています。

Of names of this kind, I can give you a quorum
Such as Munkustrap, Quaxo or Coricopat
Such as Bombalurina, or else Jellylorum
Names that never belong to more than one cat

―ブロードウェイミュージカル “Cats” より “Naming of Cats” (作詞:T.S. Eliot)

見て分かる通り、こちらはQuaxo(クァクソー)が抜けているだけなので、ほぼ同じでした。

キャッツに登場する猫の名前ばかりなので、ここはそのまま残したのでしょう。

いかがでしたか?

今回の比較で、必ずしも英語通りに名前が訳されているわけではないことが分かりました。

しかし原文通りに訳さないことが、観客にとって分かりやすい内容になっており、歌詞の意図を伝える上では重要なんですね!

ネーミング オブ キャッツ – 猫の名(Naming of Cats)」の、他の記事はこちらから。

あきかん

それでは皆さん、良い観劇ライフを…

以上、あきかん(@performingart2)でした!

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