劇団四季ミュージカル『キャッツ(CATS)』より「グロールタイガー – 海賊猫の最期(Growltiger’s Last Stand)」では、グリドルボーンとデュエットするパートがイタリア語になっています。
英語(ブロードウェイ)版には劇団四季版にはない、イタリア語パートがあるようです。2匹はどのようなことを歌っているのでしょうか?今回はそこを詳しく見ていきましょう。
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劇団四季版にある、イタリア語パート
グリドルボーンが登場すると、グロールタイガーとこのようなやりとりをします。
グリドルボーン:キエーラ
グロールタイガー:ミ・アモーレ
グリドルボーン:ソノークゥイ―劇団四季ミュージカル 『キャッツ』 より 「グロールタイガー – 海賊猫の最期」(訳詞:浅利慶太)
イタリア語は、このような意味になっています。
- グリドルボーン:Chi e la(誰なの?)
- グロールタイガー:Mi amore(私の恋人よ)
- グリドルボーン:Sono qui(そこにいるのは?)
グロールタイガーの気配を感じてやってきたグリドルボーンは、登場と共に「誰なの、そこにいるのは?」と歌います。
もちろん誰がいるかというのは分かった上での発言でしょう。ちょっとじらしている感じが色気漂いますよね。
それに対してグロールタイガーは「あぁ、我が恋人よ!」と言わんばかりにグリドルボーンを迎えます。
とてもロマンチックなやりとりですね。
劇団四季版にない、イタリア語パート
歌詞の対訳
英語版には、これに続いたイタリア語のパートがあるようです。せっかくなので内容を見ていきましょう。
In una tepida notte d’estate, allorche la natura
Era nel pieno fulgore, e la resca rugiada
Splendeva al chiar di luna sopra la verzura
Si poteva vedere il galeone ancorato
Oscillare in silenzio nel vento profumato
Dalla marea del naviglio serenamente cullato
In quella tepida notte che c’e dunque di male
Se in tnata poesia anche il pirata divento sentimentale?Oscillare in silenzio nel vento profumato
Dalla marea do naviglio serenamente cullato
In quella tepida notte
In quella tepida notte
In quella tepida notte―ブロードウェイミュージカル “Cats” より “Growltiger’s Last Stand” (作詞:T.S. Eliot)
イタリア語になっているので初めは理解出来なかったのですが、意地になって調べてみたところMusical Collecitonsに英語訳がありました!(意味を解釈しやすいように、改行が少し原文と異なっています。)
On a warm summer night
All nature was in full splendor
And the fresh dew sparkled in the moonlight
Over the verdure you could see
The galleon anchored
Rocking in silence in a breeze
Perfumed of the sea and ship
Serenely cradled on that warm night
There was no hint of evil
In a rush of poetry
The pirate became sentimental
この歌詞直前に、このようなフレーズがあります。
- And the lovers sang their last duet in danger of their lives … そして愛し合う2人は最後のデュエットを絶体絶命の中で歌った
シャム猫軍が近づいていることに気付かずデュエットを歌っているて、気持ちが高揚しているシーンだということを、まずは押さえておきましょう。
イタリア語の意味
景色
歌い出しは景色から始まっています。
- On a warm summer night … 暖かい夏の夜
- All nature was in full splendor … 全ての自然が輝きに満ち
- And the fresh dew sparkled in the moonlight … 清らかな露が月明りにきらめく
- Over the verdure you could see … 目に映る新緑の上で
- The galleon anchored … ガロン船の錨は
- Rocking in silence in a breeze … 静かなそよ風を受けてゆらゆらと揺れている
なんて穏やかな空気感!こんなに美しい内容をグロールタイガーが歌うとは想像もできないですね…!
そして、死が迫っているとも思えません…。
心情
そんな景色はグロールタイガーをどのような気持ちにさせたのでしょうか?
- Perfumed of the sea and ship … 海と船の香り
- Serenely cradled on that warm night … 暖かな夜、穏やかさに包まれ
- There was no hint of evil … 不吉なことが起こる気配など感じなかった
- In a rush of poetry … 歌によってすっかり
- The pirate became sentimental … 海賊猫は感傷的になってしまったのだ
あー…手に取るように情景が分かる歌詞だったんですね。
いかがでしたか?
グロールタイガーと共に、夜の海の景色と風を感じたい気分ですね。
シャム猫軍よ、どうか彼にもう少し時間を与えてあげて…。
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それでは皆さん、良い観劇ライフを…
以上、あきかん(@performingart2)でした!
こんにちは!
ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。