英語歌詞「天上への旅」のHeaviside Layerって何?

劇団四季ミュージカル『キャッツ(CATS)』より“The Journey To The Heaviside Layer(天上への旅)”の英語歌詞を見てみると、“Heaviside Layer”という単語が出てきます。

日本語では「天上」と訳されていますが、実際はどういう意味なのでしょうか?

調べてみると、実在する層の名前だと分かりましたよ。

【ブロードウェイミュージカル“Cats”/“The Journey to the Heaviside Layer”/作詞:Trevor Nunn * 劇団四季ミュージカル『キャッツ』/「天上への旅」/訳詞:浅利慶太】

 

「ヘビサイド層」は実在する

 

The Journey To The Heaviside Layer(天上への旅)”の歌詞は、次の2行が大勢の猫たちによって繰り返し歌われています。

 

Up, up, up, past the Russell Hotel
Up, up, up, up, to the Heaviside Layer

―ブロードウェイミュージカル “Cats” より “The Journey to the Heaviside Layer”(作詞:T.S. Eliot)

 

“layer”は「層」という意味で、地球を覆う「オゾン層」などの「層」も指します。

「“Heaviside Layer”も、そんな地球を覆う層の1つなのかな」と想像はしていたものの、耳にしたことがなかったので造語だと思っていました。

しかし調べてみると「ヘビサイド層」は実在するのだそうです!

 

電離層の一部(地上50マイルから90マイル)で中長波の電波を反射する

Heviside layer(weblio)

 

日本語でそのまま訳してしまうと分かりづらいので、シーンの雰囲気に沿って「天上(天国)」と訳されたのでしょうね。

英語でも「天上」を意味していることに変わりはないですが、単に“heaven(天国)”と言わないのがこの曲のお洒落なところ。

気高い猫たちの性格に合わせて、あえて一般人にも馴染みのない言葉で表現されたのだと思います。

難しい単語やパッとイメージできない単語は、一瞬で理解できない分興味が湧きますよね。「遥か彼方」を表すために意図的に使われたこの単語。そういった意味では、『キャッツ』の作品に大きな影響力を持っていると言えるでしょう。

 

何故「ヘビサイド層なのか」

 

(追記:2020.2.29)

地球の層と言えば「オゾン層」が耳慣れているので「オゾン層を越えて」という表現でも良かったはずですが、何故あえてヘビサイド層が選ばれたのでしょうか。

地球の層構造について調べてみたところ、オゾン層とヘビサイド層の地上からの距離は次のようになっています。

 

・オゾン層:地上約10~50km

・ヘビサイド層:地上約80~144km(50マイル~90マイル)

 

つまりヘビサイド層はオゾン層よりもずっと上に存在するんですね。

そして地上100km辺りでどういった現象が見られるのかというと、「流星」や「オーロラ」が見られるのだそうです。

なんとロマンティックな!

「遥か彼方な場所」そして「美しい現象が起こる場所」…この両方を表現するために「ヘビサイド層」が選ばれたと言って良いでしょう。

 

何故こういう名称なのか考えてみた

 

ちなみに、何故この層に“heaviside”という名前が付いたのかを私なりに考えてみました。

恐らくこの層の名付け親は、層の位置する場所が「天国に近い場所」だとイメージし、“heaven’s side(天国に近い側、天国側)”を縮めた、“Heaviside”という単語を造ったのだと思います。もしこれが正しいなら、遥か彼方を表現するにはぴったりの言葉ですね。

次『CATS』を鑑賞する際は、是非「ヘビサイド層」をイメージしながら聴いてみて下さい!

 

(追記:2020.2.29)

…と書きましたが、よくよく調べてみると、「ヘビサイド」とは層を発見した人の名前だったんですね。

 

電離層の別称。初期の高層大気研究において,1902年,A.ケネリーと O.ヘビサイドは,それぞれ独立に,上層大気中に電磁波を反射する層が存在することを提唱し,24年に E.アップルトンによって実証された。2人の功績にちなんで,長い間こう呼ばれていた。

ケネリー=ヘビサイド層(コトバンク)

 

発見した人の名前が「アーサー・ケネリー」と「オリヴァー・ヘビサイド」で、正式には「ケネリー=ヘビサイド層」と呼ばれるのだそうです。

 

英語歌詞に出てくる「ラッセルホテル」も実在する

 

さて、“The Journey To The Heaviside Layer(天上への旅)”内に登場する“Russell Hotel(ラッセルホテル)”も、実は実在するってご存知でしたか?次の記事でまとめましたので、是非併せてご覧くださいね。

 

その他“The Journey To The Heaviside Layer(天上への旅)”の歌詞解説や、ミュージカル『キャッツ』についてはこちらの記事をご覧ください。



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