ジェニエニドッツがタップダンスを教えた相手はゴキブリではなかった

劇団四季ミュージカル『キャッツ(CATS)』より“Old Gumbie Cat(ジェニエニドッツ – おばさん猫)”の歌詞を見てみると、ジェニエニドッツが「不潔できたないゴキブリ達にしつけをして、大掃除をやらせた」と歌われていますよね。

しかし、英語で歌われるジェニエニドッツがゴキブリ達にしたことは、日本語で歌われる内容をはるかに上回る凄さでした。

ゴキブリ達にしたことは何なのか?そしてタップダンスは何と関係があるのか?今回はそこを詳しく見ていきましょう。

【ブロードウェイミュージカル“Cats”/“Old Gumbie Cat”/作詞:T.S. Eliot * 劇団四季ミュージカル『キャッツ』/「ジェニエニドッツ – おばさん猫」/訳詞:浅利慶太】

 

歌詞の比較

日本語

 

まず、劇団四季の歌詞ではゴキブリ達についてこのように歌われていますね。

 

ゴキブリ達に会いに行くの
いつも不潔で きたないからね

全員集めて
きちんとしつける

やらせてみせるわ
大掃除 おーっ!

―劇団四季ミュージカル 『キャッツ』 より「ジェニエニドッツ – おばさん猫」(訳詞:浅利慶太)

 

掃除もせず、汚い場所をウロチョロしているゴキブリ達が想像できます。

 

英語

 

しかし、英語歌詞で歌われている内容はそういったことではなかったのです。

 

She thinks that the cockroaches need employment
To prevent them from idle and wanton destroyment
So she’s formed from that lot of disorderly louts
A troop of well disciplined helpful boy scouts
With a purpose in life and a good deed to do
And she’s even created a Beetles tap too!

―ブロードウェイミュージカル “Cats” より “Old Gumbie Cat”(作詞:T.S. Eliot)

 

ポイントとなる単語は次の3つです

 

・need employment

・wanton destroyment

・boy scouts

 

それでは1つずつ説明していきますね。

 

ジェニエニドッツがゴキブリにしたこととは?

理由なく殺されていることに問題提起!

 

“cockroaches”とはゴキブリのことですが、残念ながら私たちの生活の中で忌み嫌われる存在ですよね。目にすれば、考えるよりも先に、丸めた新聞を手にしているのではないでしょうか?

このような人間の行為を、ジェニエニドッツは次のように呼んでいます。

 

wanton destroyment…理由なく殺されること

 

確かに、ゴキブリにしてみればただそこにいるだけで殺されてしまう訳ですもんね。

ジェニエニドッツは、ゴキブリがあてもなく“idle(うろうろ)”していることや、理由なく殺されることを気にかけており、ゴキブリ達を“prevent(防ぐ)”ためには、あることが必要だと考えました。

 

・need employment…仕事が必要(雇用されることが必要)

 

そしてその仕事というのが、boy scouts(ボーイスカウト)”なんですね。

 

 

目指すは必要とされるボーイスカウトに!

 

ボーイスカウトは日本ではあまり馴染みがないので、どういうものか調べてみました。

 

ボーイスカウト(Boy Scout)もしくはスカウト(Scout)は、スカウト運動に参加する通常10歳から18歳の少年少女のこと。

発達段階上の観点から、多くのスカウト連盟ではこの対象年代をより年少・年長の部門に分割している。

スカウトは成人指導者の下で20から30人規模の隊を形成する。隊は6人程度のスカウトによる班によって形成され、班単位でアウトドアなどの活動を実施する。

ボーイスカウト(wikipedia)

 

青少年の健全育成を目指して創設されたものですが、「将来を託すことの出来る青少年の育成」という意味も含まれるそうです。

ただ単に仕事を与えるだけでなく、意識の向上も含まれるという点では、ゴキブリに最適かもしれません。

さらに、ジェニエニドッツがdisorderly louts(無秩序でばらばらだったゴキブリ達)”を“a troop(1つの隊)”にしたことで、“well discipline helpful(よく訓練された役に立つ)”ボーイスカウトになったことも分かります。

ジェニエニドッツの素晴らしいアイディアが、実を結んだということですね!

こうやってジェニエニドッツはゴキブリ達に、次のような素晴らしいものを与えました。

 

purpose in life…人生の目的

・good deed to do…善き行いを成すこと

 

私はこのパートの意味を初めて理解した時、胸が熱くなって涙が出ました。ジェニエニドッツってただのお節介な猫じゃなくて、差別なくあらゆる生き物と関われる猫なんだ…と。

彼女の志には見習うことしかありません!こんなゴキブリがいたら、きっと私たち人間も理由なく殺すことはないでしょうから…。

ボーイスカウトついては、こちらで画像付きでまとめています。是非併せてご覧くださいね。

 

 

タップダンスを教えた相手はカブトムシだった!

 

ここまでがゴキブリ達の話ですが、タップダンスの話が出てきませんよね?

でも、歌詞の最後をよく見てみましょう。“tap”という単語が登場するのが分かりますか?

 

And she’s even created a Beetles tap too!

―ブロードウェイミュージカル “Cats” より “Old Gumbie Cat”(作詞:T.S. Eliot)

 

beetles”とは「カブトムシ」のこと。なので、ここでは「それに加えて、彼女はカブトムシがタップダンスを出来るようにまでさせてあげたのさ!」と歌っているんですね。タップダンスを教えた相手はカブトムシだったんですね。

 

いかがでしたか?

ジェニエニドッツの、はかり知れない優しさをご理解いただけたでしょうか?ただゴロゴロしている猫と思ったら大間違い!弱者に優しい猫だったんですね。

 

ジェニエニドッツの昼間の様子を知りたい方はこちらの記事をご覧くださいね。

 

その他“Old Gumbie Cat(ジェニエニドッツ – おばさん猫)”の歌詞解説や、ミュージカル『キャッツ』についてはこちらの記事をご覧ください。


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