劇団四季ミュージカル『ジーザス・クライスト=スーパースター(Jesus Christ Superstar)』の登場人物を解説します。
今回は民衆と熱心党のシモン。
本作を理解する上で、まず押さえて欲しいこの2者について、分かりやすく解説していきます。
※物語の展開に触れる記事です。予めご了承ください。
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「民衆」とは
もしあなたが、ミュージカル『ジーザス・クライスト=スーパースター(Jesus Christ Superstar)』を手っ取り早く理解したい…と思っているならば、私はこう伝えます。
「イエス(ジーザス)を押さえる前に、民衆を押さえよ」と。
何故なら、民衆こそがこの物語を作っているからです。
イエスは1人の青年でした。そして、救世主(キリスト)でもありました。
イエスが救世主だったからこそ、民衆は大いに期待し、幻滅します。そして、この感情の起伏が「イエス最後の7日間」を作り上げています。
ユダヤの民は、約5世紀にもわたって、他国の支配下にありました。
「いつか自分の国のために立ち上がる人が現れる」と信じていた彼らは、常にユダヤから「政治的な救世主(リーダー、指導者、王)」が現れることを期待していました。
そんな時、救世主イエスが現れます。
イエスはあくまでも、宗教的な救世主でした。
神の言葉を伝え、神の愛を説く存在でしたが、民衆はイエスに「政治的リーダー」を期待し始めます。そして「この人こそが、ユダヤのために立ち上がる人だ」と熱狂したのです。
しかしイエスは「政治的リーダー」になるつもりはなく、民衆の誤解を解くためにも、ひたすら「神の愛」を説き続けます。
そうするうちに、民衆はイエスが政治的リーダーになりたがっていないことに気付き、落胆。行き場のない気持ちは怒りに変わっていくのです。
その結果、民衆はイエスの磔刑を求め、イエスは処刑されるに至ります。
「熱心党のシモン」とは
民衆の動きと似た行動をとっているのが、熱心党のシモンです。
熱心党のシモンは、イエスに最後までついていった12使徒(12人の弟子)の1人。
「熱心党(ゼロテ)」とはテロリスト集団(過激派組織)の名前で、シモンはもともとこの集団に所属していた人物でした。
熱心党は、ローマに支配されていたユダヤを取り戻すべく、ローマを倒そうとテロ行為を繰り返していた集団です。
ローマを倒すために「政治的リーダー(救世主)」を求めて活動していたため、イエスに求めるものは民衆のそれと同じです。
「熱心党のシモンの発言は、基本的に民衆を代弁している」とも言えるので、是非民衆の心情を踏まえながら、台詞や歌を聴いてみてくださいね。
それでは皆さん、良い観劇ライフを…
以上、あきかん(@performingart2)でした!
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ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。