劇団四季ミュージカル『キャッツ(CATS)』より「バストファージョーンズ – 大人物?(Bustopher Jones)」の歌詞を見てみると、バストファージョーンズは「粋でキザ」な「人目をひく猫」だと歌われています。
しかし、英語歌詞ではたった1単語でバストファージョーンズがどんな猫かを説明しています。
その単語とは “Brummel” 。どういう意味なのでしょうか?今回はここを詳しく見ていきましょう。
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※2020.2.25 追記:
この記事について、読者様より英語で有力な情報が入りました!どうやら “has eight or nine clubs” とは、バストファージョーンズが「8~9のクラブを経営する」のではなく、「8~9のクラブに所属している」という意味のようです。追って記事を変更させて頂きます。貴重な情報を有難うございました。
歌詞の比較
日本語
劇団四季の歌詞では、バストファージョーンズがどういう猫なのかをこのように説明しています。
バストファージョーンズ
粋でキザ つややかな毛並み行きつけは メンバーズクラブ
飾りたてた身なり彼が街に お出ましになりゃ
たちまち人目ひく誰もが皆 みつめてる
ご機嫌はいかが街一番の金持ちで
政治が大好きお目にとまると恐縮です そう
バストファージョーンズさん!―劇団四季ミュージカル 『キャッツ』 より 「バストファージョーンズ – 大人物?」(訳詞:浅利慶太)
粋で、キザで、お洒落で、人目をひく、金持ちの、政治好き…というのが、日本語で説明されたバストファージョーンズです。
英語
しかし、英語歌詞では「粋でキザ」「金持ち」「政治好き」ということは歌われていません。
Bustopher Jones is not skin and bones
In fact, he’s remarkably fat
He doesn’t haunt pubs, he has eight or nine clubs
For he’s the St. James’s Street Cat!He’s the cat we all greet as he walks down the street
In his coat of fastidious black
No commonplace mousers have such well-cut trousers
Or such an impeccable backIn the whole of St. James’s the smartest of names is
The name of this Brummel of cats
And we’re all of us proud to be nodded or bowed to
By Bustopher Jones in white spats―ブロードウェイミュージカル “Cats” より “Bustopher Jones” (作詞:T.S. Eliot)
ここでは「セント・ジェームズ・ストリートで一番カッコイイ名前は、Brummel(ブランメル)な猫のこと」とバストファージョーンズを説明していますが、ブランメルとはどういう意味なのでしょうか?
ちなみに、政治好きであることが歌われているパートでは、バストファージョーンズが経営するクラブについて歌っています。
また、セント・ジェームズ・ストリートについては次の記事で説明していますよ。
“Brummel(ブランメル)” とは?
“Brummel(ブランメル)” については、原作『キャッツ ポッサムおじさんの猫とつき合う法』で、このように説明されていました。
Bryan George Brummell:通称、ボー・ブランメル(1778~1840)のこと。19世紀英国の「ダンディ」として有名。また彼の通称名、ボーは「洒落者」「伊達男」の代名詞として用いられた。
―T.S.エリオット『キャッツ ポッサムおじさんの猫とつき合う法』(p.94~95)
19世紀、英国のダンディと呼ばれていた男がBrummel(ブランメル)で「ブランメル=ダンディ」という意味になったことが分かりますね!
ですからこのフレーズでは「セント・ジェームス・ストリートで一番流行っている名前は、バストファージョーンズっていう、ダンディな猫のことさ」と歌っているわけです。
いかがでしたか?
ただでさえ、お洒落で高級なセント・ジェームス・ストリート…。
そこで名前も知られていて、クラブも経営しているのがバストファージョーンズ!他の猫達が憧れ、お近づきになりたい気持ちも分かりますね。
「バストファージョーンズ – 大人物?(Bustopher Jones)」の、他の記事はこちらから。
それでは皆さん、良い観劇ライフを…
以上、あきかん(@performingart2)でした!
こんにちは!
ミュージカル考察ブロガー、あきかん(@performingart2)です。